年の瀬が押し寄せ、一年のシワ寄せに眉間のシワ寄せ、
幸せは遠くに感じる程、期待を背にひた走る12月頃です。
『亡霊は笑う』、監督の石川です。
僕らの班は、現在絶賛撮影中です。
そのため、まだ撮影含め、制作全体を冷静に振り返るという気持ちになれないので、
代わりにM-1グランプリ2017を振り返ります。
リアルタイムでは見ることができず、結果は知った状態で録画したものを見ました。
それでも結果発表の時などはドキドキして、
とろサーモンが優勝した瞬間には泣いてしまいました。
数年前のキング・オブ・コントでバイきんぐが優勝した時も泣いちゃったんですよね。
弱いんです。長い不遇の時代が報われる瞬間というか。感動体質です。
でも個人的に、漫才だけで判断したら優勝は和牛の方が相応しかったのではとも思います。
何と言っても、決勝一本目の漫才が本当に凄くて感動すら覚えました。
一本目に比べると二本目は多少見劣りする気もしましたが、
トータルの質で言ったら和牛は本当に凄かったと思います。
印象的だったのは、優勝した瞬間に久保田さんが「何が起きた?」みたいに聞いて
村田さんが「わからんわからん」みたいに答えていたところです。
コンビ歴15年という2人の意思疎通感があの瞬間だけでよく見て取れて感動しました。
とろサーモン、和牛と並んでファイナルに進出したミキの二本目のネタは
確か昨年の敗者復活でもやっていたものだと思いますが、
そっちの方がクオリティが高かったかなーと、
今回が彼らのベストパフォーマンスではないなーと、思いました。
敗者復活であがってきたのは下馬評通りスーパーマラドーナでした。
スーパーマラドーナも好きなんですが、
個人的には天竺鼠が最近大好きなので、決勝行って欲しかったなあと思いました。
惜しかった。スーマラ、ハライチに続いて3位でした。
あとジャルジャル。
新時代の漫才だなーと思いました。
後にネット番組に出てたお2人の発言からして、
あのネタは「誰も傷つかない」ネタだということが最も重要視されてるみたいで、
その意識ってすごい現代的な考え方だなぁと思って、面白いと思いました。
ファイナルに進出できなくて滅茶苦茶ショック受けてる福徳さんを見るのは結構辛かったですね。
ただ本当に、「お笑い論」みたいなところまで引っくり返してしまうような
とんでもない漫才だったな、とは思いました。
上沼さんはM-1グランプリの審査員長に相応しいお方だと思います。
さや香が「僕たち、売れます!」と言った時の笑顔が素敵でした。
と、ここまで映画の話をせずM-1グランプリ2017を振り返ってきました。
エラそうに何を言ってるんだという感じですね。
テレビの前に座って見てる人が言うくだらない感想です。
世の中、いとも簡単にこなされているように見えるものって、
ほとんどの場合、血の滲むようなものすごい努力が見えないところにあって、
すごい人ほどそれを容易くやっているように見せられるのだな、と
簡単に見えることほど、やってみると全然簡単じゃないんだな、と
映画を作りながら本当に痛感しています。
そんな僕の映画は、漫才師が主人公です。
漫才師、そして幽霊、が織り成す物語。
その具体的な内容については、、、撮影が終わってから追々発表させてください……。
何はともあれ、死ぬ気で頑張ってます。
もうしばし、お待ちくだされ。
石川泰地