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執筆者の写真早稲田大学 映像制作実習

なんだか眠れないのでブログを書いています


私は「ふたたま」の助監督と準主演をさせていただきました、岡田奈津美です。

私から見た班の色々なことを、少しだけですがここに切り取ろうと思います。反省もありますが、楽しいことだけ。



「ふたたま」には途中加入で関わらせてもらいました。と、いうのも、加わった10月時点で、班は応仁の乱が聞いて呆れる焼け野原状態。全く話し合いも進んでいませんでした。それで、7年来の友人の岡本監督からヘルプをもらい、助監督をやらせてもらうことになったのですが。

入った時は「そんだけ機能しないグループなんて、80年代のヤンキー学級みたいな感じなんだろうな」と震えていたんですが、実はみんなやる気満々。それに映画製作の素質を持った人ばかりでした。近藤さんっていうスーパーエリートがいるんですけど、そのいい例だと思います。ほんとになんでも出来るんですよ。しかもめちゃめちゃ優しいし。国民のお兄ちゃんです。言い過ぎた。ふたたまのお兄ちゃんです。近藤さんだけじゃなくみんな、やる気がない訳じゃない。上手く統率が取れなくて進まないだけだった。それに脚本がめちゃくちゃ面白いので、そんな精鋭が揃ったチームだったこともあり、「いい映画ができそう!」と思ったのを覚えています。



助監督としてできることをと思い、私も一生懸命頑張りました。スケジュールまとめたり、小道具まとめたり。あれ、でもまとめしかしてないですね。あんまり頑張ってないかも。てへぺろ。

でも本当に、みんな熱意がすごかった。進まない脚本改稿も、10月からはみんな熱い意見を口々に言い合っていました。夜な夜なLINE通話したこともあったっけ。上手くまとまらないチームが、ひとつにまとまっていく感じがしていました。



12月に入り、やっと撮影にこぎ着け、何とか撮影を始めることができました。そして80%ほど撮り終えたとき、最大の事件が起きました。キャストさんの降板。

私達の準備不足、自負のなさが原因で、キャストさんに不信感を抱かせてしまい。ほんとに情けなかったし、申し訳ない出来事でした。みんな誰が悪いとかじゃないって言うけれど、やっぱりそうはおもえない。私、ダメだったなって思い出して、家で泣いちゃう、みたいなこともありました。でもやっぱり監督が一番思いつめてたと思う。この人がいい!って選んだキャストさんに悲しい思いをさせてしまった。辛い出来事だったと思います。

その出来事があって、「ふたたま」は「撮るか撮らないか」という究極の選択まで追い詰められてしまいました。みんなの士気も下がってしまって、「撮らない」が段々と現実味を帯びてくる。

でも私は、絶対撮るぞって、徹頭徹尾思っていました。やっぱりそれは、脚本が面白くて、メンバーが才能ある人ばっかりだったからだと思います。いい作品ができるのにな、って言うのがあって、撮らないなんてもったいないよ!って思ってた。映画サークルでいろんな映画に関わってきたけれど、他人の作品にこんなに肩入れしたのは初めてでした。

その思いは、班員みんなの心の中にあったんじゃないかなと思います。監督は「迷惑かけちゃう」って言っていたけれど、そんなことよりもっと「撮りきりたい!」って気持ちの方が強かったと思います。話し合いがあったあの時、いつもニコニコして落ち着いている田家さん(すごく可愛い美術担当の女です)が「撮りましょう!」って結構強気だったのが物語っていたように思います。

結局主演を岡本監督が、準主演を私が、さらに先輩の石川さんの出演も決まり、2度目の撮影が始まりました。

入った時はまさかキャストをやるなんて思ってなかったので(!)、終始手探りでしたが、キャストとして、それ以前にいちスタッフとして頑張ろうという思いで臨みました。



完成した作品は、私は素晴らしいものになったと思います。切羽詰まった状況で、撮影の杉浦くん初めみんなでアイディアを出しながら撮影出来たのはほんとに良かった。それがなかったらこの作品を夜に送り出すことは出来ていなかったので。

あと何より私、めちゃめちゃ演技褒められました。やったぜ!

反省点は多いですけれど、楽しいことしか思い出したくないのでやっぱり今ここに書くのはやめときます。

降板したキャストさんには初めておあいした時、「友達とか、家族とか恋人とか人との関係性って色々あるけれど、その『2人』の間に関係性があるだけで、それはどの2人かで全く全然違う」という話をしてくださいました。

それはこの作品伝えたかったことだと思うし、映画に関わる人達にも言えることだと思います。

ひとくちに「スタッフ」って言っても、私と岡本監督、私と杉浦くん、私と田家さんじゃ全然違うし、もっと言えば岡本監督と杉浦くん、岡本監督と田家さんだって違うと思います。

それを理解した上で撮影することの難しさを知れたし、そういう所を表現したいなと思いながら私は関わらせてもらいました。

と言いつつ、結局お芝居に必死だったんですけどね!



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